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環境貢献
斎藤英次商店本社

大阪万博で見つけた ”ecoな取り組み”を真似してみた!


 

いよいよ大阪万博が開幕!世界の祭典でサステイナビリティを探せ🔎

こんにちは、斎藤英次商店マーケティングチームです。
もうすぐ大阪万博の開幕日ですね!
4月13日~10月13日という、約半年にわたる開催期間が始まります。
 
世界規模のイベントで、多くのパビリオンが建設されますが、
それも半年で閉幕してしまうと考えると、なんだかもったいない気がしますよね。
 
そう思いながら公式サイトを徘徊していると、とても興味深い取り組みを発見しました!
それは「万博サーキュラーマーケット ミャク市!」という取り組みです。
 

この記事では、以下の3点をざっくりと実践事例も交えて学ぶことができます!
・「万博サーキュラーマーケット ミャク市!」とは
・廃棄物の有効な活用方法「リユース」について
・社内の不用品処分や処分費の高騰への対処法と実践例

 
この取り組みについて知った時、筆者は「なんてタイムリーなんだ」と驚きました!
実はちょうど今、5月からの本社改修工事に向けて、大量の”使えるけど捨てなければいけない廃棄物”に囲まれています。
オフィス什器/事務用品/タイルカーペット/家電類などなど…
 
今回は、万博を参考にそれらをどうしたか、
実際に現在行っている実践例も交えて記載していこうと思います!
 

目次

 
 

1,「万博サーキュラーマーケット ミャク市!」とは

そもそも「ミャク市!」って何?

 
まず初めに、今回紹介する「万博サーキュラーマーケット ミャク市!」について簡単にご説明します。
ミャク市は、万博のパビリオンや使用された設備を、
万博終了後に別の場所へ移築・リユース(再使用)するプロジェクトです。
 
「みんなで作る施設・設備の資源循環。」を掲げるこの取り組みは、
万博で不要になったもののうち再使用可能な施設・設備を、万博後に希望する企業や団体が購入できる仕組みです。
一般の企業や団体など、公共事業以外でも幅広い対象が万博の”レガシー”を活用できます。
 
既に公募が開始されており、購入可能な設備・備品は以下の公式サイトから確認できます。
ぜひ覗いてみてください!
万博サーキュラーマーケット ミャク市!:https://www.reuse-materials.jp/
ミャク市!は、【施設等の移築】と【建材/設備のリユース】の2つに分かれています。
以下でそれぞれの具体的な出品例を見ていきましょう。
 
 

施設等の移築

 
ミャク市の【施設等の移築】パートでは、
建設されるパビリオン施設そのものの移築や、展示品のリユースを促進しています。
 
建築物の移設は、丁寧な解体や、再度組み立てる際のノウハウが必要です。
そのため大阪万博では、施設を事前に移設することを前提にした設計を行うことで、
移設のハードルを下げ、より再使用しやすいように工夫されています、
 

*画像出典:ミャク市!「施設等の移築 リスト公開サイト」より

 
例えば、カラフルな積み木のようなデザインの施設《トイレ5》を見てみましょう。
こちらは、移設することを前提に作られており、
トイレブースそのものを構成するボディブロックと、屋根を担う2種のクラウンブロックに分解することができます。
 
それぞれのブロックをクレーンで釣り上げて取り外し、
トラックで輸送すれば、移設先で再度好みの配置に組立てることができます。
さらに、移設スペースに応じて希望のブロック数や色を選ぶことができ、
移設先のスタイルに合わせて再デザインすることが可能です。

*画像出典:ミャク市!「施設等の移築 リスト公開サイト」より

 
万博後も、別のイベントやアミューズメント施設、公園などのトイレとして、活躍してほしいですね。
 
その他にも、様々な施設が万博後の活躍を待っています。
以下の万博公式サイトより確認できますので、気になる方はぜひ実際に行く前にチェックしてみてください!
新しい発見があるかもしれません🔎
 
施設等の移築 リスト公開サイト:
https://www.reuse-materials.jp/facility/list/
 
 

建材/設備のリユース

 
ミャク市の【建材/設備のリユース】パートでは、
パビリオンや施設を解体した後に、建材や設備単位でリユースする方法をとっています。
ミャク市が、譲りたい人と再利用したい人を結ぶマッチングプラットフォームとしての機能を担います。
 
公式サイトでは、設備の「購入者」と「出品者」双方がユーザー登録することができます。
万博主催者側が管理する設備だけでなく、万博に参加する幅広い出展者や個人が主体的に出品できる仕組みのようです。
 
より様々な備品が再活躍の機会を得られ、利用者の環境意識も向上する一石二鳥の取り組みですね!
 

*画像出典:ミャク市!「建材/設備のリユース リスト公開サイト」より

 
上の画像のように、公式サイトでは、エリアや施設、使用用途に応じたカテゴリなどから、
出品されている設備を確認することができます。
 
実は、まだ現時点(2025/4/8)では登録されている設備は限られていますが、
今後約半年にわたる会期の中で、順次追加されていくと思われます。
 

*画像出典:ミャク市!「建材/設備のリユース リスト公開サイト」より

 
こちらは実際の公式サイトに出品されている物の一例です。
 
冷蔵庫や消火器など実用的な物から、アート作品や建材等非現実的な物まで、
個性豊かなラインナップが揃いそうですね!
 
会場で気になるものを見つけた方は、ぜひ万博訪問後に覗いてみてください🔎
ご自身が落札者になれるチャンスもあるかもしれません✨
 
建材/設備のリユース リスト公開サイト:
https://www.reuse-materials.jp/mk2/ac/
 
 

2,ミャク市を真似したい!でもどうすれば?

さて、ここまで「万博サーキュラーマーケット ミャク市!」をご紹介してきましたが、
「でもこんなこと大きなイベントだから取り組めることでしょう?」とお思いではないですか?
 
ちょうど目の前には、改修工事で廃棄待ったなしの状態にある我が社の備品たち。
万博の方法に倣って、これらをなんとか再活用できないかと考え、奮闘してみました!
 
以下にその具体例を少しご紹介したいと思います!
 

まずは社内をあたれ!

 
とはいえ、いきなり公募を開催する度胸は無く…
まずは社内の人や、他の営業所で使いたい人がいないか募集することにしました。
弊社は本社以外に千葉県・茨城県を含め10の回収拠点と、3つの内職店舗を持っています。
きっとどこかで必要とする人がいるはず!
 
ということで、方法はいたって簡単。
本社の様子が分かる写真を数か所撮り、それを社内共有して「欲しいものがあれば連絡ください!」とアナウンス。
また、本社に来た人は希望する物に営業所名を書いた「青いテープ」を貼るのでもOK。
これでどれくらい希望があるか様子を見てみよう…
 
結果、希望者は以下の通り。
・自立式パーテーション 7枚
・応接セット 1式
・ハイバックデスクチェア 1台

 以上…
 
いやいや、本社は30人近い社員を抱える、社内で一番の大所帯。
こんな程度じゃ、廃棄予定の家具什器類は一向に減らない!
聞くところによると、営業所的には「持って帰るのが面倒」とのこと。
回収車両もほぼフル稼働しているし、言われてみれば何かのついでがないと厳しいのも分かりますが…
 
 

それなら買取業者に相談だ!

 
これではらちが明かないので、やはりここはプロを頼ることにしました。
万博のように“物”としてリユースしたいため、ここは廃棄物業者ではなくオフィス什器の買取業者さんに声を掛けました。
その数なんと7件!
これなら買取額の一番高いところに売ればOKだし楽勝だ!と思っていたのですが…
 
結果はなんと、7件中「買取がほぼできない」と言われてしまった業者さんが4社…
残りの2社も、買い取れる家具類はかなり限られるという結果に。
 
それでも一番嵩張っていた「袖付きデスク」と「会議室用フラップテーブルとチェア」は、
そのうち1社の業者さんからまとめて買取可能とご連絡をいただきました。
もちろん資源としてではなく、デスクやチェアとして再販売していただけるそうです。(念のためしつこく確認してしまいました💦)
 
ただ、この時点でこまごました家具や少し古めのイスは買い手がつかず…
このままでは廃棄処分になってしまいます。
どうしようか悩んだ筆者は、再び「ミャク市!」のサイトを覗いてみることにしました。
 
 

業者がだめなら地域の方に譲ってみよう!

 
するとそこには大きなヒントが!
先ほど【建材/設備のリユース】パートの説明で、
公式サイトでは、設備の「購入者」と「出品者」双方がユーザー登録することができる、とお伝えしたのを覚えているでしょうか。
運営委員会の管理施設以外にも、幅広い出展者や個人が主体的に登録できるプラットフォームだと…
 
昨今、メルカリやヤフオクなど、個人の方が中古品を取引しているプラットフォームは沢山あります。
ミャク市のように新たなプラットフォームを作ることはできませんが、
既存のプラットフォームに乗っかる形なら弊社でも出品できるはず。
そう、社内も業者もだめなら、既存の媒体に出品して個人の方にお譲りすれば良いんです!
 
そこで次に問題になるのが、どこに出品するか。
家具類が中心なので、発送でのお届けが中心になるメルカリは厳しい。
ヤフオクは現地引取でのお渡しもありますが、かなり古い型式の物もあるので売れるかどうか…
 
上記を加味して、今回は【地元の掲示板サイト:ジモティー】を利用することにしました!
実はすでに、回収ボックスの案内などで使用していたので馴染みはありました。
基本的に本社オフィスまで取りに来てもらう前提なので、やはり地元の人が多く見る媒体が良いと思いこちらに出品。
すると・・・
 
なんと残っていた家具類の、ほぼ全てにお問い合わせをいただくことができました!
・10年近く使っていたイス 20脚近く
・壁掛けのホワイトボード
・組み立て式のロングデスク
・スチールラックやワイヤーラック

などなど、会社の備品なのである程度価格をつけて出したのですが、
無料などの投げ売りにしなくても、ここまで反響をいただけるとは正直予想外。
 
どれも比較的お近くにお住まいの方からのお問い合わせで、
個人の方はもちろん、地域でお店を営まれている方や企業様も何名かいらっしゃいました。
これをきっかけに地域イベントでのコラボもご提案いただけたりと、
不用品のリユースをきっかけに新しいご縁をいただくことができました!
 
まだまだ丈夫な「プリンター台」「金庫」「デスクパーテーション」などは残っていますので、
興味のある方はぜひ弊社の出品一覧をご覧ください🔎
万博ほど大規模ではないですが、少しでも環境に優しく、地域にも貢献できる機会にしたいと思います!
 
斎藤英次商店公式ジモティー:
https://jmty.jp/profiles/609b4a240f6b5e79b6cbbae4/articles
 
 

3,まとめ ー物を手放す際の新たな選択肢ー

 
さて、だいぶ長くなってしまいました…
最後に、「万博サーキュラーマーケット ミャク市!」と、それを受けて実践した不要備品のリユースを経て得た、
【物を手放す際のポイント】をまとめて終わろうと思います。
 
弊社はもともと古紙のリサイクル業者で、廃棄物業界とはかなり深い関わりがあります。
また業種柄「リサイクルをすればecoなんだ」といった、少しリサイクル信奉なところもあります。
それは弊社だけでなく日本社会全体の中でも、多少なりとも似たような風潮があるのではないでしょうか。
 
もちろん、リサイクルが悪だとは言いません。
廃棄になってしまったものを素材として再生する、重要な受け皿としての役割を自負しています。
でも、それはあくまで素材としての価値を求めたもので、“物そのものの価値”という訳ではありません。
 
例えば、万博で使われた照明器具は、ただの照明ではありません。
「あの時、あのパビリオンで、あの展示を照らしていた灯りだ」という付加価値がついてきます。
そのような物としての歴史が、単なる利便性だけではない“物の価値”になっていくのでしょう。
 
今回の自社備品のリユース活動を通じて、
特にジモティー経由の方からは、とても多くの「譲ってくれてありがとう」という感謝の言葉をいただきました。
そのありがとうの数だけ、物としての価値が守られ、救われた備品があります。
こちらからも、心から「貰ってくれてありがとう」という言葉をお返ししたいと思います。
 
【物を手放す際のポイント】
・まずは“物をそのままの形”で使う、リユース(再使用)の方法を考えてみる。
・こんなもの売れるの?と思ったものでも、どこかに必要としている人はいる。
・手放す予定の備品やお渡し方法に合わせた利用媒体を選ぶ

 
まとめてしまうと淡泊になりますが、多くの方にご協力いただき、
積極的にリユースに取り組んで、一担当者として本当に良かったと思います。
 
また、実は今回の社外リユースを通じて、改修工事に伴う廃棄物の排出も大幅に抑えられました。
家具類の売却益も入るので、実際にかかる処分費はかなり軽減されたと思います。
工事の際だけでなく、日常的に出る不用品についても、今後は積極的に社内外へのリユースを行っていこうと思います。
 
今回は、廃棄物業界の会社が、あえて廃棄物を減らす取り組みをしてみました。
結果、弊社のミッション『物の価値と心の価値をつなぎ、「できてよかった」の幸せで世界を豊かにします。』という宣言に、
多少なりとも貢献できた気がします。
 
個人の方にとどまらず、どうか多くの企業や団体の方にも本記事を参考にしていただけると嬉しいです!
 
 

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リユースを交えたご提案も可能です!

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㈱斎藤英次商店

マーケティングチーム

 


 

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