リサイクルステーション(古紙回収ボックス)に関するアンケート実施結果
1,000名を超える皆様の声を頂きました!
こんにちは、斎藤英次商店マーケティングチームです。
我が社では昨年11月、関東近県をメインにリサイクルステーションにまつわるアンケートを実施しました。その結果、1,000名を超える皆様からの声を頂くことが出来ました。本当に有り難うございました。そこで今回、そのアンケート結果をもとに、お話したいと思います。少し長くなりますが、最後までお付き合いいただけますと幸いです。
まずここで言うリサイクルステーションとは、地域回収(行政や自治会による回収)とは別に企業や施設などで独自に再生資源を回収するための設備であり、よくスーパーなどで見かける古紙類やペットボトルなどを選別して投入してもらっているものが該当します。<リサイクルステーションに関するブログはこちら>
一般のご家庭から再生資源(古紙や古着など)を持ち寄って投入していただくもので、当社営業所にも常設しており、「古紙ゆたか」のブランドで展開しております。
興味がある、実は持ち込みたいものがある、という方はこちらをご確認下さい。
<リサイクルステーション 古紙ゆたか – 株式会社斎藤英次商店ー古紙回収・機密文書廃棄・産業廃棄物処理>
※本文中のアンケート結果(グラフ等)はクリックすると拡大表示されます。
そもそもリサイクルステーションをどれ程の方が知ってくれているのでしょうか。結果を見ると8割弱の方がご存じで、ほとんどの人が「実物を見て」と回答しています。一番目に付くのはやはりスーパーなどに設置されているリサイクルステーションでしょうか。段ボール・新聞・雑誌といった古紙類に加え、ペットボトルや食品トレイなどのリサイクルステーションも見かけます。今や多くのスーパーマーケットに設置されていますし、実際、当社が回収させて頂いているリサイクルステーションも多くあります。またホームセンターへの設置も増えており、一部店舗では当社の古紙ゆたかを置かせて頂いています。またインク/トナーカートリッジなどは、メーカーが力をいれていることもあって、小売店などによくリサイクルステーションが設置されています。そういったことから、多くの方がリサイクルステーションを知っているのでしょう。
リサイクルステーションで回収されている品目を見ると、有価物や資源品がほとんどとなっています。そもそもこのボックスで回収された品物は全てリサイクルされます。これを言うと身もふたもないのですが、リサイクルステーションの名が示す通り、再生可能なものを回収するための設備なので、当然の結果ですね。
同じような目線で見ると、「回収してほしい品目」の結果は、現在の行政回収での回収頻度が低い、或いは排出に費用が発生するものが多く、一部を除き、リサイクルできず、焼却や埋め立て処分されているものとなっています。
話は少々逸れますが、使用済み天ぷら油のリサイクルについては、西日本の方が前向きに取り組んでいる印象を受けます。例えば京都市は市として使用済み天ぷら油を回収し、それを自らバイオディーゼル燃料に精製、廃棄物の回収車両や一部バスに使用するといった取組み(詳細はこちら)を継続しています。インターネットで「使用済み天ぷら油 回収」と検索すると他にも西日本の自治体名が検索結果として複数表示されました。しかし同様の取組みをする企業はまだ限られているようです。もっともネット検索から想像した個人の見解であることはご了承ください。自身の検索の仕方にも問題があったかもしれませんが、やはりビジネスとして継続するにはハードルが高いと言わざるを得ません。このリサイクルについて、当社が掲げるVision2046と相性がよいため、我が社でも何度か事業化のテーブルに上がってくるものの、やはりビジネスモデルとして確立するのが難しく、残念ながらいまだ実現には至っておりません。
さて当然ですが、「知っている」と「利用している」は違います。回答者がお住まいの地域に対するゴミ回収システムへの質問では、ほとんどの人が行政や自治会などによる地域回収について「充実している・満足している」と回答しています。
一方でリサイクルステーションを回答者のうち63.6%の方が利用しており、その頻度について質問すると1か月以内に複数回利用する人が50%以上、週1回以上という人も30%いらっしゃいます。これだけの方がリサイクルステーションを利用してくださっているのです。利用理由で一番回答の多かった、まさに「買い物ついで」に捨てられるという利便性が大きな要因でしょう。
しかし、そもそも行政などの地域回収が充実していて満足しているのなら、そこに利便性も含まれるのではないでしょうか。何故、それほど頻繁にリサイクルステーションを利用するのでしょう。そこで地域回収への「満足できない理由」を見てみます。
地域や自治体によって様々な違いがあるので同列で語るのは難しいですが、決まった曜日の決まった時間に回収してもらえるというのは、人によっては出したいときに出せない、と感じるようです。また大概の地域回収では、「可燃ごみ」や「不燃ごみ」「粗大ごみ」など様々な種類のゴミを曜日や時間を分けて、同じゴミ回収ステーションを使って回収します。その利用者は一か所につき1世帯だけでは済まず、複数世帯が利用します。そのため、ゴミそのものやその捨て方について、他の利用者のルール・マナーが気になったり、置き場の汚れや清掃が気になったりするのだと思います。
それを裏付けるような結果が、ゴミ回収と比べたリサイクルステーションの優位性に関する質問の回答にありました。
曜日を気にしないとか、24時間いつでも捨てられる、といった「日にちや時間に縛られない」ことを優れていると感じる人が半分近くいるのです。また衛生的と回答された方たちは、地域回収場所の汚れやマナーの悪さを挙げる人がほとんどでした。また先述した地域回収に多い、特定の場所での複数品目の回収では、品目ごとの置き場の確保が難しく、分別した状態で持ち出す必要があります。しかしその分別も、行政の冊子やWEBサイトで確認しなければなりませんが、品目が多い程、分かりづらくなってしまいます。実際、我々にとっては一目瞭然の段ボールでさえ、それが段ボールかどうか判断できない人もいるのですから。
それでも回収場所では、複数品目を同じ場所の限られたスペースで回収するため、そこに掲示される情報がゴミの種類と回収日をメインにするのは、仕方のないことだと思います。
しかし街中のリサイクルステーションは違います。リサイクルを目的として設置されています。そしてリサイクルをするには単一素材が限りなく好ましいのです。品目によっては、そもそも単一素材でなければリサイクル出来ません。そのためリサイクルステーションは、リサイクルできる素材ごとに投入口やボックスが必ず分かれています。更に、大きな文字やピクトグラムなどを使って素材を明示することで、利用者が迷わないよう工夫しているものがほとんどです。そして素材ごとに回収する限りは、ボックスが満杯になる以外の回収理由がほぼないため、持込時間を制限する理由もないのです。
そしてもうひとつ、我が社として見るべき項目が、エコである、とかリサイクルできる、といった回答です。全体に対して23件7%。残念ながら過去にこのようなアンケートを実施したことがなかったので、ここが「原点」であり「出発点」です。
実際に企業が環境貢献にまつわる事業をやろうとしても、利益が見込める継続的なビジネスモデルを創り出すのが難しく、企業の意識や信念と努力、そしてそれを後押しする法律によって、かろうじて成り立っていると言っても過言ではありません。そんな中、消費者の意識も環境貢献、リサイクルに向いていることをこのアンケートは示していると考えるのは楽天的でしょうか。
消費者間、企業間、業界間、そして官民、皆を啓蒙し、皆が協力して初めて循環型社会、持続可能な社会が実現されます。その意味でリサイクルステーションとは、行政・自治会といった地域回収を補完し、スーパーや商業施設に設置することで、買い物ついでにリサイクル、或いはリサイクルついでに買い物というように消費者と企業をつなぎ、それを再生事業者が再資源化して、それを原料にメーカーは新たな商品を造り、それが消費者の手に戻る。いまはまだ小さな小さなモデルかも知れませんが、実は世界が求める持続可能な社会の姿がここにはあるのです。
今回、皆様から数多くの貴重なご意見をいただくことが出来ました。真摯に耳を傾けます。そして次に行動します。
改良・改善のご意見にもあるように、リサイクルステーションそのものの利便性を上げる努力を続けつつ、設置場所を増やすためご協力くださる企業様を探し、そこでのニーズも吸収・反映して、Win-Win以上の、設置企業様、利用者様、当社、そして地球が共にWinになれるリサイクルステーションを増やしていきます。それが、我が社の使命にも通じるものですから。
最後までお付き合いいただき、有り難うございました。今後の斎藤英次商店にぜひご注目下さい。